自然人類学 (1) イントロダクション

[以下は授業のエッセンスを再構成したもので、授業内容とはかならずしも一致しません。]

人類学とは、人類、すなわちわたしたち自身を理解しようとする学問領域です。 いわゆる文系領域 (人文・社会科学) が人間の振る舞いを対象とし、理系領域 (自然科学) が事物や自然界の諸法則を対象とするのとは異なり、人類学はそれ自身を研究対象とします。 その意味で、人類学は文系でも理系でもありせん。

人類学にはさまざまな分野があります。 文化人類学、社会人類学、生物人類学、進化人類学、自然人類学、応用人類学、などなど。 これら「○○人類学」の多くは、もともと大きな枠組みとして存在した人類学から派生したものではありません。 むしろ、人類を理解しようとするいろんな研究領域が独立して発展してきて、人類学という大枠に統合された、という感じです。 (とはいえ、かならずしも統合されてもいませんが。)

自然人類学は、「人類」を生物学的な側面から捉え、その固有性と変異、またそれらの進化の過程を解明しようとする分野です。 生物学的な側面、といっても行動学的、生態学、生理学的、形態学的側面などいろいろありますが、歴史的に、形態学的な面が強調されています。 英語では (natural ではなく) physical anthropology です。 この授業でも、人類化石の研究について多く触れます。

現生の人類種はヒト (Homo sapiens) 一種ですが、過去にはさまざまな人類が存在しました。 複数の人類が同所的に共存していた時代もあります。 それらについて学びながら、人類とは、ヒトとは、そして、自分とは何ものなのか、について考えてゆきたいと思います。

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