読書と読書会のすすめ

今日、4月23日は1年生対象の「動物学入門」の担当でした。 この科目は、動物学の体系的な概論ではありません。 動物学科の8人の専任教員がオムニバス形式でそれぞれ2回、ローテーションで担当し、好きな動物に関する話や、自分の研究の話など自由に話すものです。 座学とも限りません。 標本に触れたり、ちょっとした実験を行ったりする先生もいらっしゃるようです。

私は当然、アフリカでの大型類人猿の調査の話などをしたいのですが、担当回は2回あるので、それは2回目にとっておくことにして、今回は入学間もないこの時期に伝えたいことを話すことにしました。

それはずばり「読書のすすめ」そして「読書会のすすめ」です。

大学では、実にいろんな体験をすることができます。 学生は、座学ばかりではなく、授業内、授業外での多様な体験からさまざまなことを吸収し、専門性をたかめるだけではなく人としても成長します。

しかし、若い時期に本を読むこともまた、とても貴重な「体験」となります。 学生時代にがっつり読んだ本は、その後の人生にも影響を与えます。

そんなわけで、自分が学部の1,2回生の頃によんだ本を、 読書体験 としてみんなに紹介しました。 なかでも、自分が今の方向に進む大きなきっかけになったのが、「政治をするサル」(フランス・ドゥヴァール著、西田利貞訳、どうぶつ社)です。 読んだのは2回生のときです。そのときにはすでに霊長類学をやろうとは決めていましたが、心理系にするか、生態・行動系にするかまだ決めていませんでした。 しかし、この本を読んで、チンパンジーたちの複雑な社会交渉のおもしろさにすっかり魅了され、社会だ! と決心したのでした。

いま検索したところ、Amazonでは中古しかでてきませんでした。 どうぶつ社がなくなってから平凡社ライブラリーとして再版されたはずですが、それもみつからない。 絶版でしょうか。残念です。

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読書のすすめに加えて、もうひとつ、「読書会」もやろう、と勧めてみました。 こちらは3回生で専門にあがってからの話ですが、マクロ系の同級生たち数人で、生態学の教科書の定番、“Ecology” (Begon et al.) を輪読したのです。 いまでは訳書がでていますが、当時は原書しかなく、しかもとても大きく分厚い本で、なかなか大変でしたが、みんなで読みきりました。 英語でなくても、専門書はなかなか一人では歯が立ちません。 そういう本も、仲間といっしょに読書会をすることで読みきることができます。 読みきったときには達成感もあるし、ひとりで読んでいては得られない、あたらしい気づきがあります。

この春学期に、数人でいいから、読書会をやる学生がでてきたらいいな。

#学生むけ   #授業   #参考書